2009年度 HPCS研究室・朴グループ配属希望者の方々へ

研究室説明会日程

以下の日程で研究室説明会を行います。場所はいずれも、HPCS研究室(総合研究棟B棟1122号室)です。

ご挨拶

HPCS (High Performance Computing System)・朴グループへようこそ! HPCS研究室は、研究室入室時点で指導教員を選んで頂いています。従って、来年度に研究室配属を希望する皆さんは、どの教員のグループに入るかを予め決めてください。

とは言っても、研究室の活動は基本的に全体で行います。例えば輪講(論文・文献を少しずつ分担して皆で読みあわせを行う)や計算機の管理等は研究室全体で進めます。HPCS研究室には他にも佐藤教授、建部准教授、高橋准教授、多田野助教の4名の教員がおり、同じ高性能計算システムというテーマの中で、様々な研究を行っています。

我々のグループでは、主として高性能計算機システムのネットワークに関する研究を行っています。といっても、ネットワークのハードウェア媒体そのものに関する研究ではなく、高性能用に設計・実装されているネットワークをさらにソフトウェア的に工夫することにより、高い実効性能を引き出したり、従来実現できなかった超大規模化を行ったり、よりアプリケーションにとって使いやすいシステムとして提供するなど、様々なアプローチを取っています。また、今年度からは現在注目されているマルチコアCPUのより効率的な利用を目標とした「マルチコアCPUにおける演算・通信性能最適化」という新しい研究テーマを立ち上げました。

ぜひ研究グループにjoinして頂き、一緒に次世代の高性能計算機の要であるネットワーク研究と性能最適化研究を行いましょう!

研究室(共同運営)のページ

HPCS (High Performance Computing System) 研究室全体の様子についてはこちらをご覧ください。新人募集情報、研究室説明会の案内もあります。 http://www.hpcs.cs.tsukuba.ac.jp/

また,研究室配属に関するオープンラボ情報(説明会)は以下にあります. http://www.hpcs.cs.tsukuba.ac.jp/openlab/for2009.html

研究内容

基本的に、並列/分散環境における高性能ネットワークシステムの研究を行っています。以下、項目別に説明します。

省電力・高性能組み込み向けネットワーク

企業(ルネサステクノロジー)との共同研究により,次世代の組込み並列システム向けネットワークの開発を行っています!

組み込みシステムは携帯電話から情報家電まで、幅広く使われており、今後の人間生活に非常に重要なものです。この中で、複数のプロセッサからなる並列・分散化が進んでおり、それらを結ぶネットワークにも高性能化が要求されてきています。しかし、組み込みプロセッサが数100mWオーダーの電力で動くのに、Ethernet等は数Wオーダーの電力を消費します。そこで、低電力・高性能な組み込みシステム向けネットワークが必要になっています。我々は、PCI-Expressを基本とした超低電力リンクを並列利用し、全体としてEthernetを上回る性能を持ちつつ、電力を数分の1に抑える効率的な組み込みシステムネットワークの研究を進めています。

高性能・高信頼クラスタ向けネットワーク

普通のEthernet等を使った,ソフトウェア制御による,より高性能で故障に強い大規模クラスタ向けのネットワーク構築技法を研究しています!

PCクラスタは対価格性能比の良さで高性能計算の主流になりつつありますが、PCに使われるCPU自体は汎用・低価格・高性能が実現されてきていますが、ネットワークとしては高価な専用ネットワークを用いる場合が多いです。Ethernetは汎用・低価格なネットワークですが、性能的にはこれらの専用ネットワークにかないません。そこで、安価な汎用ネットワークを複数リンク束ねることにより、高い性能と耐故障性を実現するネットワークシステムの研究を行っています。材料は通常のEthernetを複数用い、ソフトウェア制御だけでこれらを束ね、通常は全てのリンクを使って性能を向上させ、リンクが故障した場合は残ったリンクで安定通信を継続するという方法です。この方法で従来のネットワークと互換なクラスタ向けシステムを構築しています。

P2P向けネットワーク

家庭や研究室等によるP2Pベースのボランティアコンピューティングを促進するためのファイアウォールフリーな広域通信ネットワークシステムの研究をしています!

広域分散環境で多数の計算機リソースを束ねて分散処理を行うP2P (peer-to-peer)コンピューティングの研究が盛んです。しかし、多くの環境では、計算機リソースがファイヤウォールやNAT (Network Address Translator)の裏にあり、直接通信ができません。これらを合法的にアクセス可能にし、大規模分散環境での高並列処理を行おうとすると、peer間の通信を柔軟にサポートするネットワークシステムが必要になります。我々は、数千・数万ノードをターゲットにしたP2Pコンピューティングのためのファイヤウォール/NAT越えを可能とするネットワーク制御システムを開発中です。

マルチコアCPUにおける演算/通信性能最適化

マルチコアCPUにおける演算/通信性能最適化

現在主流となりつつあるマルチコアCPU,特にコア数が4以上の時代に突入している中、メモリバンド幅ボトルネック等の制約の下で演算と通信にコアをうまく振り分け全体性能を向上させる試みを行っています!

現在、汎用マイクロプロセッサはマルチコアの時代に突入し、4コアあるいはそれ以上のコアを1チップに収めて、電力を抑えつつピーク性能を向上させています。しかし、実際にCPUのピーク性能に比べメモリ性能やネットワーク性能は追いついていないのが実情で、実アプリケーションでの実効性能が思うように伸びない局面が目立ちます。必要以上に演算にコア数を投入し、闇雲に並列化を進めるのではなく、「余剰コア」を通信のバックグラウンド化や性能チューニングの情報収集等に利用し、全体としての並列処理性能と効率を向上させる新しい手法を研究開発中です。

その他の並列処理システム関係研究

その他,並列処理システムについての研究なら何でもあり!!

並列/分散環境における高性能ネットワーク,あるいは並列処理システム自体の構築方法,利用方法に関する研究であればなんでも歓迎します。自分がやってみたい研究テーマをぜひ提案してみてください。

ご相談等

質問などがありましたら、メールでお願いします。アドレスは以下の通り。

taisuke AT hpcs.cs.tsukuba.ac.jp

(上記の "AT" の部分を "@" に変えてください)


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Last-modified: 2016-02-22 (月) 11:38:24